アフリカのちょっと変わった国「ルワンダ」

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駐ルワンダ大使  畑中 邦夫

 ルワンダという国を知っている日本人にとって、まず、最初に出てくるのは、「ジェノサイドの国でしょう?」という言葉だと思います。1994年4月から7月までの約100日間に80万人~100万人(1日1万人)が殺されたと言われる、第2次世界大戦以降の組織的民族大量殺戮(ジェノサイド)のなかでも最悪のケースのひとつです。

 例年の通り、今年も4月7日に第18回目の慰霊式典が開かれました。そして1週間後の4月13日までを「ジェノサイド週間」として、ルワンダ国全体が喪に服したのです。本稿では、ジェノサイドを語るのではなく、古くからの日本との関係、ルワンダのちょっと変わった面、18年前のすべてが破壊された状態から今日のルワンダに如何に発展してきたか、今後どの方向に向かおうとしているのか、などについて個人的な見解を述べてみたいと思います。



2010年12月3日 天皇誕生日レセプション(カレガ・インフラ大臣との乾杯

2011年8月17日 東部地方給水事業(第2期)起工式(ルハムヤ水・エネルギー担当大臣と)

2011年9月6日 EN調印式(蒸し器和簿外省都)

2011年9月11日 東日本大震災6カ月追悼式
(小林JICA所長、ルハムヤ水・エネルギー担当大臣、バイネ外務省次官と)

2012年1月18日 カヨンザでの道の駅説明会(ウワマリア東部地方知事(右)と)

2012年3月14日 東日本大震災レセプションでの説明

2010年6月11日 カガメ大統領への信任状捧呈式

キガリタワービル

キガリ郊外の風景

大使館の入るビル(5階と6階の一部に入居)

1. ルワンダにとっての日本の友人
ルワンダにとって友人中の友人である日本人がふたりおられます。一人目は(故)服部正也さんで、ルワンダ独立後間もない1965年から1971年まで、国際通貨基金(IMF)の専門家として日本銀行から派遣され、金融はもちろんのことルワンダの諸制度の基礎作りを手伝われました。私が学生の頃夢中で読んだ「ルワンダ中央銀行総裁日記」をご存じの方も多いと思いますが、いまでも2代目総裁としてルワンダ国立銀行に写真が飾られています。二人目は先日まで国際協力機構(JICA)の理事長を務められていた緒方貞子さん(現外務省顧問)で、ジェノサイドの当時、国連難民高等弁務官(UNHCR)として多くの難民の救済にあたられました。現カガメ・ルワンダ大統領の信頼も篤く、国際会議等でご一緒される場合には、必ず言葉を交わされる仲です。また、いくらお忙しい時でもルワンダからのお客様には必ず会って頂けるので、大使としてはいくら感謝してもしきれない方です。
私は、2年少し前に初代大使として着任しましたが、これらおふたりの偉大な先人のお陰で、日本人に対するルワンダ人の感情はすこぶる良好なため、既に仕事の半分以上をおふたりに片付けてもらったのではないかと考えています。

2. ちょっと変わった国「ルワンダ」
 アフリカのなかでルワンダは少し変わった国ではないかと考えています。北部アフリカのマグレブ諸国はともかく、サブ・サハラのなかで朝や夕方に女性がひとりでジョギングできる国はそうそうありません。警察国家だと悪口をいう人権団体もありますが、外国人が安心して安全に暮らせるのは大変有り難いことです(注)。また、街中にはゴミが余り落ちておらず、清潔な感じがします。我が国に近い某国の田舎のトイレ経験者が、ルワンダのトイレの清潔さに驚いていました。もともと清潔好きな国民性に加え、独立以前から毎月第4土曜日の午前中は、地域コミュニティの仕事として道路の清掃や村の共同作業を行うという伝統があり、今もこれが続いています(これをウムガンダと呼びます)。更に、ルワンダは我が四国の1.4倍ほどの小さな国とはいえ、ほぼ全域が緑豊かな国で、これも砂漠やサバンナの多い他の国との違いを際だたせています。

 「千の丘の国」と呼ばれるルワンダは伝統的に農業の国で、2.63万平方Kmの狭い国に1,062万人の人口(世銀:2010年)を抱える極めて人口密度の高い(平方Kmあたり400人)国です。このように日本よりも高い人口密度でありながら、食糧はほぼ自給できるという点でも、穀物輸入を余儀なくされている多くのサブ・サハラ諸国と異なっているといえるでしょう。

 (注)とは言っても、2010年始めから今年3月末までに、総計14回の手榴弾事件が起こっており、これらは外国人を対象としたものではないものの、大使館では人混みをさけるなど「十分注意してください」との安全情報を出しています。 

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